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複視とプリズムメガネ

当店でプリズムメガネを調製するのは、
両眼視機能の不良・異常による不具合の軽減を狙う場合です。

このうち「複視」に関しては、対処が難しいケースがございます。

別項「単眼複視と両眼複視」で説明しておりますように、
両眼視機能が正常であれば

右眼で見ている像と  左眼で見ている像とを 
   
脳の中で1つの像として 
 

合成(融像)することができます。

しかし、複視の場合は、それができないために、
上下・左右・斜めといったふうに、
像が2つに分かれてしまいます。

   

このような複視の場合、「プリズムレンズ」を使うことで、解決できることが少なくありません。
プリズムの効果で、2つの像が重なるようにズレの位置を調整するわけです。

下図のように、正面視以外の8方向に目を動かしても、

 
図の出典: 『基礎両眼視 改訂増補版』 関真司著 興隆出版社

像のずれかたが変わらない場合は、対処しやすいことが多いのですが
見る方向によって、像のずれかたが異なる場合は厄介です。

このような場合は、
たとえば「正面視時のズレを最小にする」といった感じで、
100%の解決はできなくても、
幾らかはマシな状態に持ってこれることがあります。

あるいは、プリズム量を部分的に変えるために、
フレネルプリズムをレンズの一部に貼り付けたり、
当店では事例がありませんがフランクリンタイプのレンズにしたり、
といった策が功を奏することもあります。


しかしながら、片眼の像が回旋してしまっているような場合は、

右眼で見ている像と 左眼で見ている像
   

回旋した像が、正常な像に重なった見えかたになります。
 

回旋している像をプリズムレンズで水平にさせることは困難なので、
この不具合を解消することは難しいです。

また、眼疾患で、どちらかの眼の像に歪みが生じているような場合は、

右眼で見ている像 左眼で見ている像
   
位置のズレは整えられても  
 

片眼の像の歪みがそのままなので、煩わしい見えかたになります。
(位置のずれがなくなるだけでも、かなり楽です、とおっしゃるかたもおられます)


それから、プリズムを少しずつ付加していくことで、
位置のずれが徐々に少なくなってはいくのだけれど、
決して融像はできず、
さらにプリズムを付加していくと、
逆方向にずれてしまう、といった現象が起こることもあります。


このように、左右眼で見えている像の兼ね合いによっては、
プリズムレンズを用いても快適な「両眼単一明視」つまり、
「両眼で、1つのものを1つのものとしてハッキリ見る」ということができない場合
というのが少なからずあるわけです。

(こうした煩わしさを解決するためには、別項の「片眼遮蔽膜・レンズ」をご参照ください。)


ですので、プリズムメガネは、
どんな複視をも解消できるものではない、
ということをあらかじめご理解いただきたいと思います。

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